2015年夏のクルマ選択は何故「コンパクトSUV」なのか?
※
- クルマは所詮クルマでどれもこれも同じようなものだが、利用者ニーズの変化、テクノロジーの変化、政策・法律の変化、人口構造の変化などを受けて、カテゴリーの分化は休みなく続けられているようだ。それらは地域にユニークであったり、他の地域の影響を受けたりして、更に複雑になっている。
- クルマに何を求めるかで選択する車は変わってくる。車に何をどこまで期待するかの見極めが全てと言っても良いだろう。団塊の世代がリタイアして自分の時間を取り戻した時に、彼らは移動手段あるいは運搬手段として車ではなく、人間性を取り戻すためのパートナーとしての車を求めた。より自然に近い場所へ踏み入る手段としての車だ。遊行車。
- 1945年~1955年に生まれた戦後ベビーブーマー世代が2010年~2020年にはすっかりシニア世代になり、子育て・ローンから解放され、都市部の生活から田舎志向・自然志向になったことが世界的なSUVのブームを呼んでいる背景だ。
ドライブシーンと要件
- 買いもの
- 狭い駐車場への駐車できるサイズ、最小回転半径。
- 機械式移動式駐車場への駐車できる車高。
- 荷物が積めるカーゴルームの容量サイズ。
- 汚れ物(植木や土・肥料など)が積めるカーゴルーム。防水仕様。
- 荷物が積みやすい低いカーゴルーム床。
- 雪国なら降雪対応。
- 通学
- キャンパスは広いので特に要件は無い。
- 渋滞の時には裏道を抜けることができるようにコンパクトな方が打具れているのは言うまでもない。
- 通勤
- 業務用はスペースが十分とるので特に要件はない。時として機械式の駐車場利用もあるので要注意。地方の営業所では割と多い。都市部は逆に営業車より公共交通機関。
- 渋滞の時には裏道を抜けることができるようにコンパクトな方が打具れているのは言うまでもない。
- 雪国なら降雪対応。
- 通院
- 病人を載せるので、乗降のし易さ。最低地上高が低い。
- 乗り心地。
- 寝た姿勢で運べる。フルフラット
- 病院の駐車場対応。
- 雪国なら降雪対応。
- 送り迎え
- 最寄駅、学校、幼稚園、保育所、病院、クラブなどへの日常的なあるいは臨時の送り迎え。
- 大勢の子供たちを運ぶなら、席数が多い方が良い。
- 普通は大人4人が乗れればいい。
- 雪国なら降雪対応
- ペット同乗
- ペット・ケージ入れるか、荷室を明け渡すか。小さければ人一人分のスペースで足りるだろう。
- 短時間、ペットを残す時の熱線遮蔽シェード。
- 長距離高速ドライブ
- 高速時の安定性
- 高速時の燃費性能。JC08は指標として役に立たないかも。普通のガソリン車はJC08モードの2倍程度(50%~100%)は改善されるが、ハイブリッドは殆ど改善は期待できない。ターボ車はパワーが安定化すれば効率が良くなるので100%程度改善かも。その分、市街地でのターボの燃費は悪いと言うことだ。ディーゼルは不明だが、50%改善期待。
- 山岳ドライブ(野鳥撮影・風景写真など)
- 悪路(川原)・山道に入ることがある。しかも冬移動できることが大事。ここで、四輪駆動と最低地上高の確保が必須となる。しかも、コンパクトサイズでなければ取り回しで苦労する。
- 長期ツアー
- 家族4人の1~2週間分の荷物を運べる。相当のカーゴスペースは必要だ。帰省とか東北北海道とか、別荘滞在とか。
- スキーツアー
- スキー場まで車で乗り付ける。普通にスタッドレスタイヤを履けば
※
ドライブシーンで何を最も重視するか、何に拘るか、それが大事。どのシーンでもOKと言う車は存在しない。何を諦めるかでもいい。新しいクルマで何のドアを開けるのか。
野鳥。冬景色。紅葉。新緑。花息吹き。自然風景。動植物。自然観察。植物採取。辺鄙な場所までカメラを担いで悪路・降雪を気にしないでお出かけする。現地に滞在する。座席と荷室をフラットに出来たとしても寝袋は必要かも。危険はしないこと。楽しみが苦しみになる。電波が届かないところまで深入りは避ける。
結論:求める車のイメージ
ドライブシーンで何を最も重視するか、何に拘るか、それが大事。どのシーンでもOKと言う車は存在しない。何を諦めるかでもいい。新しいクルマで何のドアを開けるのか。
野鳥。冬景色。紅葉。新緑。花息吹き。自然風景。動植物。自然観察。植物採取。辺鄙な場所までカメラを担いで悪路・降雪を気にしないでお出かけする。現地に滞在する。座席と荷室をフラットに出来たとしても寝袋は必要かも。危険はしないこと。楽しみが苦しみになる。電波が届かないところまで深入りは避ける。
結論:求める車のイメージ
- 「自然に分け入る力・自然に寄り添う力・自然を楽しむ力」
- 「自然に分け入るパートナー・自然に寄り添うパートナー・自然を楽しむパートナー」
※
Category Check
どのカテゴリーのクルマがパートナーに相応しいか簡単にお浚いしてみる。
※
ミニバン
- たくさん荷物が詰める。中で寝ることもできる。自然を楽しむにはベストカテゴリーの一つだろう。
- カスタムカーのベースとしても魅力的だ。
- 重心が高めになるのでホイールベースとトレッドの長いもの。タイヤが四隅に来るものを選べばよい。最低地上高、ワインディングロードのドライバビリティは、のんびりゆっくり無理せずなら特段問題にならないだろう。
- 子供を連れて、家族を連れて、幸せいっぱいのミニバン。お手軽で、こだわりもなく、イージーウエィのミニバン。移動するアットホーム。少し見方を変えると別世界が広がる。ハイレベルなスペースユーティリティを実現した多用途車だ。自分の世界を詰め込んで、夢を見ながらのドライブ紀行も、現実逃避も可能だろう。
- ミニバンをヤングファミリーと決めつけているメーカーの姿勢には驚くばかりだ。アダルトなあるいは成熟した大人が利用できる落ち着いたデザインを考える頭が無いのはメーカーの堕落?。
- ミニバンは最高の出来栄えだが、デザイン性とドライビリティが課題だった。ろう。トヨタのシエンタは最も可能性を感じさせる不足も多い。
- ミニバンはもう少し大きなタイヤ、もう少し地上高を上げて、パワーのあるエンジン、ホイールベースとトレッドを伸ばせば全く違ったコンセプトの商品になるだろう。
バン(VAN)
- 元はキャラバンという貨物などの積載専用車。これを軽量小型化して乗用車または乗用車兼用に仕立てたのがミニバン。ワンボックスカー。必ずしも明確な線引きがある訳ではない。
- スポーツカーだと本格的過ぎる。スポーティカーと言っても200キロの速度で運転できる場所など無い。逮捕されるか事故るかいいことは無い。スピード違反走行は軽蔑されても尊敬されることは無い。むしろフットワークの良い車の方が価値がある。流線型の格好良いクルマは狭いスペースでいい事は一つもない。乗りたかったら他人の物を借りるかレンタカーで十分。そもそも荷物が詰めなければ役立たずも良いところだ。
セダン
- 普通の4ドアセダンはクルマとしてはベスト。人だけを考えている時はこれ以上は無い。残念は荷物。それでも、通常の量なら何も問題ない。
SUV
- 小さなサイズのSUVはもっとも中途半端なカテゴリー。もっとも個を感じさせる空間。
- 大きなサイズのSUVは破壊性を身に着けた嫌われ者といってもいいだろう。そういう図体で入り込んで来たら自然破壊は必至。重要な業務で止むを得ないものを除けば、個人でランクルなどを乗り回すのは傲慢な人間性そのものだろう。 芸能スポーツの世界でラクル乗りは少なくないが誰も何も言わない。馬鹿は馬鹿だ。
- 求めるイメージに近いのはコンパクトSUV。
ただしカテゴリーで判断しないで要件の充足度を見て判断すべきだろう。
クロスオーバー・ビークルとSUVの違い:
ネット上で丁寧に説明されているが、実はあまりよくわからない。クルマのカテゴリーなどトラックとバスと乗用車ぐらいならわかるが、いろいろ細分化されていくとカテゴリー定義など最初は有ったとしても、メーカーが勝手にカテゴリーを名乗ったりするから、曖昧なものばかりになる。特に用途で定義すると言ったもん勝ちの要素まで入ってくる。
クロスオーバーは意味にこだわれば本来の用途設定を拡張するため用意された派生車ということになる。普通の舗装道路用の車を、悪路性能とか、悪天候性能とかを強化した派生車に改造したモデル。
SUVはスポーツ用途。悪路走行性、悪天候走行性が必要。ドライブそのものがスポーツ。RVはイメージでいえば、遊びに出かける車で運転が遊びではない。荷物が多く詰めればいい。
未開地の開拓、建設作業にかかわる車も性能的にはSUVと同じになるとしても、それをSUVと呼ぶのは本来はおかしいが、ヘビーデューティSUVと言っているのは商売の都合だろう。
などと理屈のように考えようとしても余り意味はなさそうだ。
※
- 2015年夏クルマ探し(1)なぜコンパクトSUVなのか?
- 2015年夏クルマ探し(2)各社コンパクトSUVをピックアップすると?
- 2015年夏クルマ探し(3)コンパクトSUVの要件と基準
- 2015年夏クルマ探し(4)コンパクトSUVの評価