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ルーター設定|@2022/03


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初期設定ではダメ? 安定接続を実現するWi-Fiルーターの“実践的”な設定方法

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最近DMで案内された最新ルーター設定に関する能書き。 専門家の見識が示されて敷居は高いが参考になる。

以下は暫定的な全文コピペ。後で削除してください。



初期設定ではダメ? 安定接続を実現するWi-Fiルーターの“実践的”な設定方法
真柄利行
2022.3.13

より速く、かつ安定した無線通信を求めてWi-Fiルーターを新調したのに、思ったような通信速度が出ないし、接続も安定しない。このようなWi-Fiルーターに対するネガティブな声は価格.comのクチコミでも見られるが、それはWi-Fiルーターの設定が使用環境に合っていないからかもしれない。特に接続の安定性については、チューニングによって大きく改善することがある。本記事では、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応するWi-Fiルーターを例にして、安定接続を実現するための実践的な設定方法を紹介したい。
NECの「Aterm WX3600HP」(2021年6月3日発売)を使って、Wi-Fiルーターの設定方法を紹介する。本製品は発売当初、動作の不安定さが指摘されていたが、ファームウェアのアップデートと設定の見直しで改善。今では、安定動作のWi-Fi 6ルーターとして評価されるようになっている

NECの「Aterm WX3600HP」(2021年6月3日発売)を使って、Wi-Fiルーターの設定方法を紹介する。本製品は発売当初、動作の不安定さが指摘されていたが、ファームウェアのアップデートと設定の見直しで改善。今では、安定動作のWi-Fi 6ルーターとして評価されるようになっている
Aterm WX3600HP PA-WX3600HPの製品画像

    NEC
    Aterm WX3600HP PA-WX3600HP
    最安価格13,058円 ( 発売日:2021年 6月3日 )

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決して評価の高くないWi-Fi 6ルーター。「古いルーターのほうがいい」という声も

最新のWi-Fiルーターは、新しい無線通信規格Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)への対応が標準になったことで、無線伝送速度の理論値が向上している。実売価格が1万円台の主力モデルでも、5GHz帯の最大伝送速度が4.8Gbps(帯域幅160MHz、送信4×受信4)に達するものも登場している。

さらに、Wi-Fi 6では、帯域を細かく分割して複数端末にデータを同時送信する「OFDMA」の搭載や、複数アンテナを活用したビームフォーミング制御によって複数端末の同時通信を可能にする「MU-MIMO」のアップリンク対応など、複数端末の同時接続時でもより安定した通信を可能にする強化も図られている。こうした充実したスペックを見ると、Wi-Fi 6対応端末を接続することが前提になるが、より高速で安定した通信環境を求めてWi-Fi 6ルーターに買い替えたくなるというものだ。

しかし、価格.comの「無線LANルーター(Wi-Fiルーター)」カテゴリーのクチコミ掲示板やユーザーレビューを見ると、Wi-Fi 6ルーターの評価は決して高くなく、ユーザーレビューの購入満足度(5点満点)が3点台というものも少なくない。特に目立つのが「接続の安定性」に対しての不満の声だ。なかには、「とにかく不安定。買うに値しない」「少し古くても安定動作のルーターを選んだほうがいい」といった厳しい意見もある。
W-Fi 6ルーターが多くランクインするようになった、価格.com「無線LANルーター(Wi-Fiルーター)」カテゴリーの人気売れ筋ランキング(2022年3月10日時点)。W-Fi 6ルーターは全体的に評価がそれほど高くなく、購入満足度が3点台のものもある

W-Fi 6ルーターが多くランクインするようになった、価格.com「無線LANルーター(Wi-Fiルーター)」カテゴリーの人気売れ筋ランキング(2022年3月10日時点)。W-Fi 6ルーターは全体的に評価がそれほど高くなく、購入満足度が3点台のものもある
使用環境にあわせてチューニングすることで安定性の改善を図る

Wi-Fiルーターは着実に進歩しており、Wi-Fi 6対応の最新モデルは、数年前のものよりも間違いなく性能が向上している。それなのに、なぜ接続の安定性に対する評価はそれほど高くないのだろうか?

もちろん、必ずしもWi-Fi 6対応=安定性の向上というわけではなく、ハードウェアの処理能力や、ソフトウェアの完成度など製品個別の設計の問題もあるわけだが、Wi-Fiルーターの設定が使用する環境に合っていないことも、その一因と考えられる。

Wi-Fiルーターは搭載する機能が多く、パソコン関連機器の中でも細やかな設定が必要な機器だ。よかれと思って設定した機能が、使用環境によっては逆にパフォーマンスを下げることもある。最新モデルといえど、環境にあわせたチューニングが必要になる場合があるのだ。

以下に、Wi-Fiルーターのパフォーマンスを上げるためにチェックしておきたい主な設定方法をまとめよう。もし、最新のWi-Fiルーターに買い替えたのに接続が安定しないようであれば、これらの設定を見直してみてほしい。
1.ファーストチョイスは5GHz帯。2.4GHz帯は補助的に使いたい

まずは、基本中の基本になるが、Wi-Fi規格(IEEE 802.11)が対応する2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯域の特徴と使い方をまとめておきたい。最新モデルであれば、基本的にこの2つの帯域の同時使用が可能だ。

2.4GHz帯(IEEE 802.11ax/11n/11g/11b)
メリット:障害物に強く、通信距離が長い
デメリット:5GHz帯に比べて通信速度が遅い。電子レンジやBluetoothなどと電波が干渉しやすい
5GHz帯(IEEE 802.11ax/11ac/11n/11a)
メリット:電波干渉が少なく、高速かつ安定した接続が可能
デメリット:障害物に弱く、通信距離が短い

2.4GHz帯は障害物に強く、より広いエリアに電波を飛ばせるのが特徴。しかし、通信速度が遅いのと電波干渉が発生しやすいのがネックで、接続が不安定になりやすい。いっぽうの5GHz帯は、2.4GHz帯より通信距離が短いものの、高速かつ安定した接続が可能。高解像度な映像コンテンツをスムーズに視聴したいのなら、5GHz帯での接続はマストと言っていい。

このような特徴から、接続する端末の対応にもよるが、メインで使用するのは5GHz帯で、2.4GHz帯は、Wi-Fiルーター(もしくは中継器)から距離があって5GHz帯だとつながりにくい場合に選択するようにしたい。
「Aterm WX3600HP」の設定画面(Webブラウザーで操作するクイック設定Web)。もちろん、2.4GHz帯と5GHz帯の同時使用が可能。IPv6にも対応している

「Aterm WX3600HP」の設定画面(Webブラウザーで操作するクイック設定Web)。もちろん、2.4GHz帯と5GHz帯の同時使用が可能。IPv6にも対応している
2.バンドステアリングはオフにして手動で周波数帯域を設定する

ここ数年内に発売になったWi-Fiルーターの多くは、低価格なエントリーモデルを除いて、バンドステアリングという機能が搭載されている。この機能は、周囲の電波強度や混雑状況などを定期的に判別し、2.4GHz帯と5GHz帯の振り分けを自動で設定するというものだ。

より安定した接続を実現でき、かつ接続や管理が楽(2.4GHz帯と5GHz帯でSSIDとパスワードを共通化できる)ということで、初心者向けにWi-Fiルーターの設定を解説するWebページでは、この機能の利用を推奨している場合も見受けられる。だが実際は、特に最新のWi-Fi 6ルーター(※特にスタンダードモデル以上の製品)では、この機能をオフにして、接続端末ごとに周波数帯域を手動で選択・設定したほうが、速度も安定性も上がることが多い。同時接続端末が10台以上になる場合は別だが、3~4台程度の同時接続数であればメインで使用する5GHz帯の帯域を極端に圧迫することはほぼなく、バンドステアリングを使うメリットはないと言える。

また、2.4GHz帯×1/5GHz帯×2のトライバンドルーターならまだいいが、売れ筋の2.4GHz帯×1/5GHz帯×1のデュアルバンドルーターの場合、バンドステアリングの振り分けによっては、低速な2.4GHz帯を優先してしまい、通信速度が遅くなることもある。製品によっては5GHz帯優先のバンドステアリングが可能なものもあるが、不意な帯域切り替えによって、オンラインゲームのプレイ中などに接続が切れてしまうという不便さもある。
「Aterm WX3600HP」にもバンドステアリング機能が搭載されており、初期設定ではオフになっている。エントリー向けの一部製品では初期設定がオンになっているものもあるので注意してほしい

「Aterm WX3600HP」にもバンドステアリング機能が搭載されており、初期設定ではオフになっている。エントリー向けの一部製品では初期設定がオンになっているものもあるので注意してほしい
3.使用エリアにあわせて送信出力を調整する

Wi-Fiルーターに限る話ではないが、どんな機器でも、フルパワーで動かしているとどうしても熱が出やすく、安定性に影響が出ることがある。Wi-Fiルーターの場合、電波の送信出力を下げることで、より安定した動作に期待できるようになる。

送信出力を下げると電波の届く距離が短くなるので、その分、受信エリアは狭くなる。ただ、電波を十分に受信できていれば通信速度は変わらない。自宅の外まで電波を飛ばすのはセキュリティ的にリスクがあるので、接続端末を使用するエリア内で電波を受信できるくらいの出力で十分だ。まずは、出力を大きく下げてみてどのくらい影響が出るのかを確認してから、徐々に出力を上げて調整するのがいいだろう。
送信出力を下げることで動作の安定を図るのもWi-Fiルーターの賢い使い方だ。「Aterm WX3600HP」では75%、50%、25%、12.5%に出力を絞ることができる

送信出力を下げることで動作の安定を図るのもWi-Fiルーターの賢い使い方だ。「Aterm WX3600HP」では75%、50%、25%、12.5%に出力を絞ることができる

また、接続端末がすべて5GHz対応で、Wi-Fiを使用するエリアも狭いのであれば、2.4GHz帯の動作を切ってもいいだろう。セキュリティ的にも無駄なアクセスポイントはないほうがよい。
4.接続が安定しない場合はチャンネル手動設定を試してみる

Wi-Fiは、チャンネル(チャネル)と呼ばれる一定の帯域幅で周波数帯域を区切り、ひとつのチャンネルに対してひとつのアクセスポイントを割り当てることでデータの送受信を行うようになっている。いわば、テレビのチャンネルと同じような仕組みだ。

2.4GHz帯は計13チャンネルあって(※11bは規格上14チャンネルまであるが、現在はほぼ使われてない)、ひとつのチャンネルの幅は22MHz。周波数が重ならないようにするには5チャンネル離す必要があり、電波干渉なく通信できるのは1/6/11の3つとなっている。
2.4GHz帯は1~13の計13チャンネルを選択できる

2.4GHz帯は1~13の計13チャンネルを選択できる

5GHz帯は計20チャンネルあって、ひとつのチャンネルの幅は20MHz。チャンネルが4つ飛ばしの設計なっているため、隣り合うチャンネル間での電波干渉はない。W52(36/40/44/48の4チャンネル)、W53(52/56/60/64の4チャンネル)、W56(100/104/108/112/116/120/124/128/132/136/140/144の12チャンネル)の3グループに分かれていて、チャンネル単位ではなくグループ単位で設定するようになっている。W52は条件付きで屋外での利用が可能。W53は屋内のみで、W56は屋外でも使用できる。
5GHz帯はW52/W53/ W56の3つのグループを選択できる

5GHz帯はW52/W53/ W56の3つのグループを選択できる

Wi-Fiルーターは、起動時に周囲のアクセスポイントを検出して電波状態のよいチャンネルを自動で選択する機能(オートチャンネルセレクト)を搭載しており、チャンネル設定は基本的にルーターまかせでいい。最新モデルでは動的にチャンネルを選択してくれる機能が備わっているものもある(※ただし、動的なチャンネル変更は動作が不安定になることがあるので注意が必要)。

ルーターまかせのチャンネル設定で問題がなければいいが、集合住宅など近くにWi-Fiルーターが多く設置されている環境だと、チャンネルの干渉によって接続の安定性が落ちることがある。通信速度の低下がひんぱんに発生したり、接続が断続的に切れるようなら、周囲の電波状況をビジュアルで確認できるツール「WiFi Analyzer」(※Android用とWindows用が用意されている)を使って、周囲の電波状況を定期的に確認してみよう。空いているチャンネルがあるようなら、手動でそのチャンネルを設定することで改善を図りたい。
集合住宅での2.4GHz帯の状況を示した、「WiFi Analyzer」の画面。各アクセスポイントのチャンネルと電波強度がひと目でわかるようになっている

集合住宅での2.4GHz帯の状況を示した、「WiFi Analyzer」の画面。各アクセスポイントのチャンネルと電波強度がひと目でわかるようになっている

5GHz帯については、Wi-Fiルーターの多くがW52を初期設定にしている。その理由は、W53とW56は気象レーダーや航空機レーダーのレーダー波と干渉する可能性があり、空港に近い場所などでは接続が不安定になることがあるからだ。また、W53/W56運用時は、レーダー波を受信すると、ルーター内蔵のDFS機能によって自動的にチャンネル変更が行われ、1分間の待機モードになる点にも注意が必要。接続する端末によってはW52のみ対応というものもある。こうした点を踏まえると、安定性重視なら5GHz帯はW52で運用するのがベターと言えよう。オートチャンネルセレクトで接続が不安定になる場合は、まずW52固定で試してみて、それでもうまくいかないようならW53/W56への切り替えを試してみてほしい。
5.チャンネルボンディングの設定を見直す

チャンネルボンディングとは、隣接する複数のチャンネルを束ねることで帯域幅を広げ、通信速度を向上する技術。バッファローは「倍速モード」、NECは「デュアルチャネル/クワッドチャネル/オクタチャネル」という名称で呼んでいる。

具体的には、Wi-Fi 4(IEEE 802.11n)では2チャンネル40MHz、Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)とWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)では4チャンネル80MHzや、4チャンネル80MHz+4チャンネル80MHz 、8チャンネル160MHzの帯域幅に対応している。幅が広がるほど通信速度は速くなるが、その分、使用できるチャンネル数が減り、電波干渉が発生しやすくなる。トップスピードにこだわるなら8チャンネル160MHzを選択したいところだが、4チャンネル80MHz、もしくは2チャンネル40MHzにとどめたほうが接続の安定性は高くなる。
「Aterm WX3600HP」の5GHz帯ではクワッドチャネル/オクタチャネルの設定が可能。オクタチャネルを使用しないことで、より安定した接続が可能になる

「Aterm WX3600HP」の5GHz帯ではクワッドチャネル/オクタチャネルの設定が可能。オクタチャネルを使用しないことで、より安定した接続が可能になる

なお、2.4GHz帯も2チャンネルのボンディングに対応しているが、ほかのアクセスポイントの干渉を受けやすくなる点に注意。安定性を重視するなら利用は避けたほうが無難だ。
6.マルチキャストレートを上げる

マルチキャストレート(接続端末に向けて送信するマルチキャスト、ならびにブロードキャストの伝送速度)を上げることで、ストリーミング映像や動画配信サービスなどの視聴がスムーズになることがある。ただし、レートを上げると電波の届く距離が短くなる点には注意。使用エリアや接続端末数から、速度と安定性が両立するところを狙って設定するようにしよう。
通信速度の向上を狙って、マルチキャストレート(マルチキャスト伝送速度)を上げるのもひとつの方法だ

通信速度の向上を狙って、マルチキャストレート(マルチキャスト伝送速度)を上げるのもひとつの方法だ
2022年3月時点でのWi-Fiルーター選びの注意点

最後に、2022年3月時点での情報をもとに、Wi-Fiルーターを選ぶ際の注意点を紹介しよう。

価格.comのクチコミ掲示板・ユーザーレビューのクチコミを見ると、それほど評価の高くない最新モデルより、少し古くても評判のいいものを選んだほうがいいと判断するかもしれない。確かに、Wi-Fiルーターは接続の安定性を重視したほうがよく、最新技術や機能は必ずしも必要なものではない。

ただ、Wi-Fiルーターはそうそう買い替えるものではない。長く使うことを考慮すると、最新のスマートフォンやタブレット、パソコンなどのWi-Fi 6対応がスタンダードになった2022年3月現在では、やはりWi-Fi 6対応のルーターを選んでおきたいところだ。

また、これはWi-Fiルーター選びの基本になるが、快適な使用環境を構築するためには、できる限り高性能なものを選択するようにしよう。Wi-Fiルーターの選び方を解説するWebページなどでは、「Wi-Fiルーターは環境や使用人数に合ったものでいい」という意見をよく目にするが、たとえ狭いエリアで少人数の利用であっても、基本性能が高い(処理性能が高い)もののほうが、結局、通信速度も接続の安定性も増す。さすがに集合住宅で1~2人の利用数であれば、超ハイスペックなものは必要ないが、1万円台のスタンダードモデルが無難な選択ではないだろうか。また、3階建ての一軒家などに設置するのなら、すぐには使わないとしてもメッシュWi-Fi機能を搭載するものを選んでおくといいだろう。

ちなみに余談になるが、Wi-Fi 6の次は、Wi-Fi 6の拡張規格Wi-Fi 6Eが登場する予定になっている。Wi-Fi 6Eは6GHz帯に対応するのが特徴だが、2022年3月11日現在では日本国内での6GHz帯利用の認可が下りておらず、まだ対応製品は登場していない。Wi-Fi 6E対応ルーターが本格的に登場するのはもうしばらく時間が必要で、2023年以降になると思われる。
真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。
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